2013年5月16日木曜日

「ルターの祈りの本」 3)「自分が神様の恵みにあずかれないのではないか」、という考えに縛られないようにしなさい



3)「自分が神様の恵みにあずかれないのではないか」、
という考えに縛られないようにしなさい
  
 
自分がどんな人間か、私は気にしません。
私はたしかに罪人で悪人だけれど、
私の主キリストは罪人でも悪人でもありません。
主は常に義しく、恵み深いお方です。
私は、自分が罪人で悪人であればあるほど、
それだけ強く、他ならぬ主に助けを求めて叫びます。
なぜなら、
「自分が恵みにあずかっているかいないか」、
などと議論する余裕が私にはないからです。
自分は助けが必要であることを、私は知っています。
それゆえ、私は
心をへりくだらせて、主の助けを求めに御許に参ります。

神様、
カナンの女[1]
神様の恵みにあずかるように選ばれていたわけではありません。
彼女は異邦人[2]だったからです。
しかし、彼女は祈り続けました。
「自分が選ばれているかどうか」、
という疑いによって祈りが妨げられたりはしませんでした。
それゆえ、私も祈りたいと思います。
私は助けが必要です。
お手上げになっている多くのことのために、
助けをいただかなければなりません。
神様、
あなたの御子救い主イエス・キリストをとおして、
天国におられるあなたからいただくのでなければ、
私はいったいどこから助けを探せばよいというのでしょう。
アーメン。



[1]マタイによる福音書」152128節。
[2] ユダヤ人ではない民のこと。