2016年7月18日月曜日

マルティン・ルター「活きるために」「詩篇」36篇6、10節(その1)

主よ、
あなたの恵みは天にあり、
あなたの忠実さは雲に届きます。(中略)
あなたの御許には命の泉があり、
あなたの光の中で私たちは光を見るからです。
(「詩篇」36610節)(その1)

命よりも良く、貴く、好ましいものが他にあるでしょうか。
命を救い守るためには、
よく知られた詩の一節にあるように、
火も鉄も恐れてはなりません。
お金や宝石、富や全世界の栄光も、命とは比べ物になりません。

命は神様からのよき賜物です。
しかし、命はとても短く、死によって断たれてしまうので、
私たちがあらゆる身の上の不幸を嘆くのは当然ともいえます。


生来、人間には皆、
より長く生きたいという希望が植えつけられています。
それゆえ、人は、
あたかも自分が永遠に生きるつもりであるかのように、
いろいろ労苦したり思考をめぐらしたりするようになるのです。
彼らは考えの中では自分の命を永遠の命と見立てています。
しかし、死は最も近しい隣人として、
いつも彼らのすぐそば(直訳では「足のかかと」)に控えています。

2016年7月4日月曜日

マルティン・ルター「活きるために」「詩篇」104篇24、31節(その4)

主よ、あなたの御業はいかに多様でしょうか!
あなたはそれらすべてを知恵によって造られました。
地はあなたの被造物で満ちています。(中略)
主の栄光が永遠にありますように。
主が御自分の作品をお喜びになりますように!
(「詩篇」1042431節)

神様が私たちの必要を満たすために
すべて(被造物)を造ってくださったのは本当です。
海や水源はすべて私たちの貯水池だし、
森や林は私たちの狩猟地です。
大地は金、銀、銅、鉄やその他の鉱物で満ちています。
また、大地は私たちのために様々な穀物を産出し、
私たちの食糧貯蔵庫であり、
パンを保存する箱でもあるように設定されています。
なぜなら、
すべては私たち人間のために造られているからです。

主なる神様がすべて(被造物)をお与えになったのは、
私たちがそれらを喜んで用いることができるようにするためであって、
それらを崇拝したり宗教的に敬ったりするためではありません。
ですから、
パン、ぶどう酒、衣服、所有物、金銭などを用いるのはかまいませんが、
その際に、それらを信頼したり、自慢したりしないようにしなさい。
私たちは神様のみを自分の誇りとするべきだし、
神様のみに信頼を寄せるべきだからです。
愛と畏れと敬いの対象となるべきなのは、神様だけです。


人は被造物のことを深く知れば知るほど、
より大きな驚きをその中に見出します。

(8月中頃までは不定期更新になります)