2013年9月27日金曜日

「ルターの祈りの本」 第2週 月曜日 御名が聖とされますように。(その2)



第2週 月曜日

御名が聖とされますように。(その2)


誰もあなたの御名によって
悪いことが起きるように望んだり、
うそをついたり、
だましたりしないように、
助けてください。

御名のかげに隠れて、
想像の産物に過ぎない偽りの慰めをさがしたりしないように、
私たちを守ってください。

霊的に高慢になったり、
この世から感謝を求めたり、
自分の名前が空虚な栄光で飾り立てられることを望んだりしないように、
お守りください。

私たちが困ったときや貧しいときに、
聖なる御名に助けを求めて叫ぶように、
力をお与えください。

私たちが、
困ったときや、とくに死ぬ間際に、
あなたの御名を忘れることがありませんように。

自分のあらゆる持ち物、言葉、行いを通して、
私たちがひたすらあなたのみに感謝し、
あなたを敬うことができるように、
助けてください。

そうして、
自分に栄光を求めたりせず、
すべての被造物の主なるあなたにのみ、
栄光を望むことができるようになりますように。

あなたに感謝しない恥ずべき過ちから、
私たちを守ってください。


私たちがよいことを行ったり、
模範的な生活を送ったりするときに、
他の人が皆、
私たちにではなく、あなたに感謝し、
あなたの御名を敬うようになるように、
力をお与えください。

私たちが悪いことをやったり、
落ち度があったりするときに、
そのせいで誰もあなたの御名を侮ったり、
あなたへの賛美を怠るようになったりしないように、
助けてください。

あなたの御名への栄光や感謝につながらないようなものを、
この世のものでも永遠のものでも何であれ、
私たちが欲しがらないように、
守ってください。

もしもそのようなものを私たちがあなたにお願いする場合には、
どうかその愚かな願いを聞かないでください。

あなたが「私たちのお父様」と呼ばれることが、
内容を伴わなかったり、
間違って理解されたりすることがなく、
私たちが神様の本当の子供であることを
皆が納得するような生活を送れるように、
私たちを整えてください。

アーメン。

2013年9月25日水曜日

「ルターの祈りの本」 第2週 月曜日 御名が聖とされますように。(その1)



第2週 月曜日
 
御名が聖とされますように。(その1)
  

全能なる神様、愛する天のお父様、
あなたの聖なる御名は、
この惨めな悲しみの谷では、
残念ながら非常に多くのやり方で、汚され、貶められています。
また、あなたの栄光にまったく関係のないさまざまなことがらにも、
御名は乱用されています。
さらには、いろいろな点で、罪の行いにも悪用されています。
ですから、この恥ずべき生活は、
「御名を汚しそしる生活」と呼ばれるのが適当なほどです。

あなたの御名への感謝と栄光につながらないことは
すべて避けることができるように、
神様の恵みを私たちに与えてください。
あらゆる魔術と偽りの祝福が取り除かれますように。
御名を通して行われる悪魔と生き物の追い出しが止みますように[1]
一切の不信仰と迷信が根底から無くされますように。
御名を隠れ蓑にして現れる
分派や間違った教えが消え去りますように。
「真理と義と聖の衣」に身を包んでいる者たちに
人々がだまされないように、助けてください。



[1] ルター自身、洗礼の式文で
洗礼を受ける者から悪魔が追い出されるように祈る箇所を設けているので、
悪魔を御名によって追い出すこと自体に
ルターが反対しているとは思えません。
ここでは、当時のカトリック教会での悪魔祓いのやり方に
反対しているのではないかと、私は思います。(翻訳者注)

2013年9月23日月曜日

「ルターの祈りの本」 第2週 日曜日 天にましますわれらの父よ。



2 日曜日
 
天にましますわれらの父よ。
  
 
全能の神様、あなたは、
底知れぬ憐れみにより、
私たちに約束してくださったばかりではなく、
あなたの愛する独り子、主イエス・キリストを通して、
「私たちは、イエス様のみわざのおかげで、イエス様を通して、
あなたにお父様とお呼びしてよい」、
と教えてくださいました。
私たちは、あなたの神意を破り、あなたを怒らせたのですから、
本来なら、あなたは、御自身の義によれば、
私たち罪人に対して厳しい裁き主であるのが
当然なのにもかかわらず。

ですから、あなたの憐れみにより、
私たちの心に、
あなたが父親としての私たちを愛しておられる
という信頼をお与えください。
そして、慰めで満たしてください。
喜んであなたを父親と思ってよく、
「お父様」と呼んでよく、
あなたを愛して、
困ったときにはいつでもあなたに助けを求めることができる、
という「子どものような安心感」が
いかに好ましく素晴らしいものであるか、
私たちに実際に経験させてください。
私たちがあなたの子どもでありつづけられるように、
守ってください。
最愛のお父様、
私たちが誤ってあなたをたんなる「厳しい裁き主」と見なして、
自分が「あなたの子」から「あなたの敵」に
変わってしまうことがないように、なさってください。

2013年9月20日金曜日

「ルターの祈りの本」 第1週 土曜日



第1週 土曜日


憐れみ深い救い主よ。
あなたはいかに思慮深くすべてをおこなってくださったことでしょうか!
あなたは私のお兄様です。
「私はあなたの御名を兄弟たちに告げます」、
と「詩篇」22篇に書かれているとおりです。
主イエス・キリスト様、
あなたは神様であり、天と地の王であられるのに、
私はあなたを怖がらなくてよいのです。
なぜなら、あなたは私の友であり、兄であり、
私と同じ肉と血をもつ人間だからです。
私が罪人で、あなたが聖なるお方であることに、変わりはありませんが、
私はそのために困惑はしません。
なぜなら、もしも私が罪人ではなかったとしたら、
あなたが私のために死を甘受する必要はなかったでしょうから。
それゆえ、私の心は安らかです。
「マタイによる福音書」のはじめに書かれている
「イエス・キリストの系図」には、善人も悪人も混ざっていますが、
そうした人たちを通して、あなたは生まれることを望まれたのです。
その理由は、
おびえおじけづいている心の持ち主をあなたが慰めて、
彼らがあなたを「私たちの罪を取り除く方」として、
大胆に信頼するようになるためです。
あなたは本当にそれらの罪を取り去ってくださったのですから。
もうひとつの理由は、
「あなたが私たちの罪を除去なさったことを私たちに納得させる御言葉を、
あなた御自身が私たちに残してくださった」、
と私たちが確信するためです。
このように、私にはあなたのくださった約束があります。
すなわち、
「私の義は、あなたの憐れみに基づいている。
義とは、あなたの憐れみ深い罪の赦しにほかならない。
これゆえ、あなたは罪や悪い行いを
もはや私たちの欠陥とはみなそうとはなさらない」、
という約束です。
このことに私は信頼を置きます。
あなたに永遠に感謝がささげられますように。
アーメン。