2013年8月30日金曜日

「ルターの祈りの本」 魂と神様の対話(その8)


 
魂と神様の対話(その8)
 
 
誰か次のように言う人がいるかも知れません、
「私の祈りは聴かれた、ということを、
私が信じることができない場合には、どうなるのでしょうか」。
それに対する答えはこうです、
「汚れた霊に苦しめられた息子の父親のように行いなさい」
(「マルコによる福音書」914節以下に関連)。
キリストが彼に言われたのは、
「もしも信じることができるならば、
「信じる者にはすべてが可能だ」、
と自分に言いきかせなさい」、
いうことでした。
そのとき、その子の父親は(おそらくは目に涙を浮かべて)、
「主よ、私は信じます。
私の信仰を助けてください。
それはあまりにも弱いからです」、
という意味のことを叫んだのでした
(「マルコによる福音書」924節に関連)。
  
 
父なる神様、
私が祈ったことがらが本当に実現することを、
私は疑いません。
それは、私がそうなるように祈ったからではありません。
そうではなく、
あなたがそれらについて祈るように命じ、
また、それらを与えてくださると確かに約束してくださったからです。
神様、
あなたは真実な方であり、偽りを言われることはありえません。
そのように私は確信しています。
私の祈り自体に価値があるからではありません。
あなたの真理の正しさのゆえに、
私は堅く信じる力が与えられて、
疑いが全く消えるのです。
これに基づいて、
私は「アーメン」と言えるのだし、
文字通り「アーメン」が実現します。
すなわち、
「まことに、そのようになる」のです。

2013年8月28日水曜日

「ルターの祈りの本」 魂と神様の対話(その7)



魂と神様の対話(その7)


(主はこう言われます。)
非常にしばしば私はあなたがたの罪を赦してきたし、
あなたがたを救い出してきたのに、
あなたがたは私のもとに留まらず、忍耐する心ももっていません
(「詩篇」788節を参照のこと)。
あなたがたは信仰の弱い者であり、
私と一緒にわずかの間も我慢して目を覚ましていることができず、
たちまちのうちに再び誘惑に落ち込んでいきます
(「マタイによる福音書」2641節を参照のこと)。

私たちは弱く病気です。
お父様、肉と世の誘惑は大きく、さまざまです。
愛するお父様、私たちを支えてください。
私たちが誘惑に陥って再び罪を行うことがないように守ってください。
私たちが堅く立って、
おわりまで雄々しく戦うことができるようにしてください。
あなたの恵みと助けなしでは、私たちは何もできないのですから。

悪が私たちを誘惑にあわせ、罪によって圧迫しています。
ですから、愛するお父様、私たちを救い出してください。
あなたの神様としての御心によって、
私たちがあらゆる罪と悪から解放されて、
あなたの御国となれますように。
また、永遠にあなたに感謝と賛美をささげ、
聖なるあなたに真心からお仕えできるようになりますように。
あなた御自身が、
こう祈るように、と私たちに教え命じておられます。
一方では,
私たちの祈りを聴く、とも約束なさっておられます。
ですから、最愛のお父様、
御自身の真理に栄光を帰するために、
どうかこれらすべてのことを、
恵みと憐れみから、私たちにお与えください。
そう私たちは望みますし、
また、その通りになる、と確信しています。

2013年8月26日月曜日

「ルターの祈りの本」 魂と神様の対話(その6) 



魂と神様の対話(その6) 

聖なるものを犬に投げ、
子どものパンを小犬に与えるのはふさわしい行いではありません
(「マタイによる福音書」76節、1526節)。
あなたがたは毎日罪を行っています。
たとえ私があなたがたに昼も夜も説教しても、
あなたがたはそれに従わないし、聴こうともしません。
私のメッセージは侮辱されるだけです。
 
お父様、
上述の理由のせいで
私たちに大切なパンを与えるのをやめないでください。
私たちはあなたの聖なる御言葉の要求を満たすことができません。
このことは私たちを悲しめます。
それで、私たちは祈ります。
どうか私たち「あわれな子ら」に忍耐をお示しください。
そして、私たちの罪の負債を赦してください。
私たちを裁かないでください。
なぜなら、あなたの御前では誰も義人ではないからです。
「もしも私たちが我々に負債のある者を心から赦すならば、
あなたもまた私たちに罪の赦しを与えたいと思っておられる」、
という御自身の約束を思い出してください。
もちろんこれは、
私たちが、隣人に与える負債の赦しによって、
あなたからの罪の赦しを報酬として受けた、
という意味ではないのです。
そうではなく、
あなたはまことの方であり、
隣人を赦す者たち皆に対して
罪の赦しを憐れみ深く約束してくださった、
という意味です。
このあなたの約束に、私たちは信頼しています。

2013年8月21日水曜日

「ルターの祈りの本」 魂と神様の対話(その5)



魂と神様の対話(その5)

天のお父様、
確かに自分の力で強い人は誰もいません(「サムエル記上」24節)。
あなたが御手をかえされるとき、
もしもあなたが私たちを強め慰めてくださらないならば、
いったい誰が耐え続けることができるでしょうか。
ですから、愛するお父様、
私たちのことをしっかりつかんでいてください。
御心を実現してください。
私たちがあなたの御国となり、
あなたへの感謝と栄光となるように。
愛するお父様、そのために、
私たちを聖なる御言葉によって強めてください。
私たちに日ごとの糧をお与えください。
私たちの心に、あなたの愛する御子イエス・キリストが
真の天のパンとなるようにしてください。
そのようにして、私たちがキリストによって強められ、喜んで、
自分自身のやりたいことがしぼみ消えていくことを耐え、
あなたの御心が実現していくことを忍ぶことが
できるようになりますように。
そうです、
またキリスト教会全体に恵みをお与えください。
内容のない作り話の「もみ殻」ではなく、
聖なる福音とイエス・キリストを教えてくれる、
聖書をよく学んだ牧師や説教者を、
私たちにお与えください。