2016年4月29日金曜日

「ルターの祈りの本」 最期の遺言(その2)

最期の遺言(その2)
  

愛する主なるイエス様、私はよく存じております。
たとえ私がこれまで最善を尽くして生きてきたとしても、
その私の生き方は依然として
滅びの宣告を受けるのが当然であるような生き方でした。
しかし、
あなたが私のために死なれ、
その聖なる傷から流れた血を私の上にふりかけてくださった、
ということに私は慰めを見出します。

私は御名によって洗礼を受け、御言葉を聴きました。
御言葉により、
あなたは私を招き、
恵みと命の約束を与え、
それを私が信じるように命じられました。
このことに信頼し、あれこれ疑うことなく、
私はこの世での人生を後にしたいと思います。

どのように神様が天国で私を裁くことになるか、
いったい誰が知っているというのでしょう。
私は今「赦免の判決」に守られて生きています。
その赦免とは、
神様が律法の裁きよりも高きところから、
すなわち天から、
律法の裁きに反して
「御子を信じる者には永遠の命がある」(「ヨハネによる福音書」316節)
と宣言されたことです。

アーメン。

2016年4月21日木曜日

「ルターの祈りの本」 最期の遺言(その1)

最期の遺言(その1)

愛する私の神様、私はあなたに心から感謝します。
私がこの地上では「貧しい乞食」であるようにと、
あなたが望まれたのです。
ですから、
私は自分の死んだ後で
家や畑や土地や財産を妻と子どもたちに残すことができません。

あなたが彼らを私に賜ったように、
豊かで忠実な神様、
私は彼らをふたたびあなたにおゆだねいたします。

私を今まで養ってくださったのと同じように、
どうかこれからも彼らを養い、教え、守ってください。
あなたは孤児の父親、やもめの擁護者なのですから!

アーメン。

2016年4月11日月曜日

「ルターの祈りの本」 死んでいくとき

死んでいくとき


主なる神様、私は弱く、おびえています。
それゆえ、私は悪を避け、
悪から守られるためにできるかぎりのことをします。

目前にある悪に対しても、
また、
私がこれから遭遇することになるかもしれないどのような悪に対しても、
私はあなたの御手の中におります。
どうか、あなたの御心が実現しますように!

逃げたところで助かりはしません。
いたるところに悪や不幸があるのは明らかだからです。

悪魔はだらだらのんびり寝そべってはいません。
悪魔は生まれながらの殺し屋であり、
人を不幸にするためにあらゆる手口を利用します。

今、私がこのような危険の中に置かれているのは、
あなたがそれを許されたからです。
どうか、あなたの御心が成りますように。

私はあなたの貧しい被造物です。
あなたは今ここで私が死ぬようにもできますし、
また、
火や水や喉の渇きやその他の危険が迫った時のように、
今ここでも私を守ることもできるのですから。

2016年4月6日水曜日

「ルターの祈りの本」 死に臨んで(その3)

死に臨んで(その3)


愛する主イエス様、
私は戒めを満たすことができません。
私にはまだ罪があります。
私は死と地獄を恐れています。
しかし、
私はあなたが私に御自分のすべてのみわざを賜ったことを
福音から聴いて知っています。
そして、このことを私は確信しています。
あなたは決して嘘を言われません。
あなたは約束されたことを実行なさいます。
その証印として私は洗礼にあずかりました。
この洗礼に私は信頼を寄せます。

愛する神様、
あなたは「私のもの」ですから、
私は喜びをもって死んでいきたいと思います。

愛するお父様、
それがあなたの御旨に適うことなのですから。
死は私を傷つけることができません。
死はあなたの勝利に呑み込まれたからです。

主なる神様、
あなたに感謝いたします。
あなたは私たちに主イエス・キリストを通じて勝利を与えてくださいました。

アーメン。