「ルターの祈りの本」 説教職について（その４）

説教職について（その４）

あらゆる恵みの神様、

私たちの国の支配者は「狼ども」の只中にいるのと同じような状態です。

ですから、どうか彼らをお守りくださいますように。

彼らもまた悪霊どもからすっかり自由になっているわけではないからです。

荒れ狂った危険な今の時代にはなおさらです。

どうぞ彼らに憐れみの目を向けて、

あなたの御言葉の中で彼らをあらゆる悪い行いからも守ってください。

あなたの御霊を遣わしてください。

彼らをあなたによって使用を許可された「武器」として整えてください。

それは、

彼らがあなたの御言葉への感謝と栄光となるべく、

利益と祝福とを大いに豊かにもたらすためなのです。

また彼らの働きを通して、

様々な悲しみを抱え見捨てられ彷徨っている人々の上に

多くの善き業が実現されていきますように。

アーメン。

「ルターの祈りの本」 説教職について（その３）

説教職について（その３） 

主なる神様、

あなたは私を牧師として教会に派遣されました。

この責任が重く骨の折れる職務を正しく果たすために

私がどれほど力量不足であるか、あなたは御存知です。

あなたの助言がなかったならば、

私はとっくの昔にすっかりだめになっていたことでしょう。

それゆえ、私はあなたに助けを求めます。

私は喜んで自分の口や心を牧師の職務にさしだしてゆだねます。

私は人々を教えたいのです。

また自分でも学びつづけ、

あなたの御言葉と付き合いつづけ、

熱心にそれを研究したいのです。

私をあなたの武器として用いてください。

しかし主よ、どうか私をひとりぼっちにはしないでください。

なぜなら、ひとりで牧師の仕事をしなければならない場合には、

いともたやすくすべてをすっかりだいなしにしてしまうでしょうから。

「ルターの祈りの本」 説教職について（その２）

説教職について（その２）

愛する神様、私は礼拝での説教を通して人々に教え始めました。

ところが、どうにもうまくいきません。

あちらこちらから反対を受けています。

しかし、私はそれを気にしません。

あなたが私にあなたの御言葉を礼拝で説教するように命じられたのですから、

私は礼拝で説教を行うことを止めるつもりはありません。

もしも説教がうまくいかないならば、失敗するのは私です。

もしもうまくいくならば、成功するのはあなたです。

ここに厳然として、

（礼拝説教せよという）あなたの戒めが私には与えられています。

私はそれに基づき出て行って、網を打ちます。

そして、漁が成功するかどうかはあなたにおゆだねします。

アーメン。

「ルターの祈りの本」 説教職について（その１）

説教職について（その１）

愛する主なる神様、

あなたの恵みをお与えください。

それにより、私（ルター）が

あなたの御言葉を正しく理解するだけではなく、

さらにはそれを実行することができるようになりますように。

しかし、最愛の主イエス・キリストよ、

もしもこの私の学びがあなたおひとりのための栄光とならないのでしたら、

むしろ私が御言葉の一文字さえも学ばないようになさってください。

そして、あなたの栄光を益する程度に、

あなたの恵みを貧しい罪人である私にお与えください。

アーメン。

「ルターの祈りの本」 天使たちの守りへの感謝

天使たちの守りへの感謝

愛する天のお父様、あなたに感謝と賛美をささげます。

私は惨めな人間であり、一匹の悪魔にさえ対抗できません。

かりに私に10万人もの同族の味方がいたとしても、これは変わりません。

しかし、私はあなたの聖なる天使たちの助けによって悪魔に勝利するのです。

たとえ私に知恵の一滴さえなく、

狡猾で悪い敵の知恵が大海のように巨大なものであったとしても、

敵は私に傷をつけることができません。

そして私の不器用さや弱さでさえ、

敵の強大な知恵と力とを恥じ入らせることができるのです。

このことについて、憐れみの神様、主イエス・キリストのお父様、

私はひとえあなたに感謝をささげなければなりません。

あなたは、恥と愚かさと弱さのうちに御自分の栄光と知恵と力とを示されます。

それによって、あなたは賛美をお受けになります。

あなたは力強く賢く恵み深い神様です。

あなたの愛する天使たちを通して、

私たちが悪魔に勝てるように助けてくださるからです。

このことについて、ひとえあなたに栄光がありますように。

アーメン。