2014年2月14日金曜日

「ルターの祈りの本」 十戒(その9)


父と母を敬え。(その2)



第二に、私は、富裕であり善き造り主なるあなたに対して、
私自身や全世界のために感謝を捧げます。
この戒め(「父と母を敬え」)によって、あなたは、
人類が絶えず更新され維持されていくように、基を定めてくださいました。
すなわち、家族と社会のことです。
これら二つの仕組みがなければ、
この世界は一年たりとも存続しないことでしょう。
この世を支配する仕組みがなければ、平和もありえないからです。
そして、平和がないところには、家族という秩序もないのです。
そして、家族という秩序がないところでは、
神様の秩序に基づいて子供を生んだり育てたりすることはできないし、
父親や母親という社会的な位置づけも完全に消えてしまうほかはありません。
ところが、あなたは、
この戒めに基づいて家族と社会が存続するように配慮なさっています。
そして、子供や部下が、親や上司に対して忠実であるように、
命じておられます。
また、戒めが実現するように見守っておられます。
もしも戒めがきちんと実現しない場合には、
そのことを罰しないままではおかれません。
もしも神様からの罰がないならば、
とっくの昔に、子供たちは、親の言うことを聞かずに、
家族の秩序全体をだめにしてしまったことでしょう。
また、部下は反乱を起こして社会の秩序を乱したことでしょう。
子供や部下は、両親や上司よりもはるかに人数が多いからです。
ですから、あなたのこの善き御業は、
言葉ではとても表せないほど素晴らしいです。