2013年1月14日月曜日

「ルターの信仰生活アドヴァイス」 新しい命の中で歩むことについて (ローマの信徒への手紙6章4節)(その3)



新しい命の中で歩むことについて 
(「ローマの信徒への手紙」64節)(その3)

  
 
聖霊様はキリスト信仰者に与えられていますが、
それは、聖霊様が私たちの心の中の愚かな考えと戦ってくださるためです。
「愚かな考え」とは、義を拒絶する考えのことです。
この「義」とは、
神様が(イエス様の十字架のみわざのゆえに)
私たちを受け入れてくださる根拠であり、
私たちの信仰を深めるために用いてくださるものです。
それからさらに聖霊様は、
私たちの霊や魂や身体が、「聖化」の中で、
日に日に磨きがかけられ成長していくように、
私たちを祈りやあらゆるよいわざへと励ましてくださいます。
  
  
私たちは、神様の律法を本来なら完全に守るべきであるのに、
実際はそうできません。
救いの恵みの御国では、そうした不完全さについて、
私たちはキリストによって、罪の赦しをいただきます。
しかし、それとともに私たちにはそのとき聖霊様が与えられます
この方は、私たちの中に
神様の御命令に従おうとする新しい意欲と愛を燃やしてくださいます。
これは救いの恵みの御国で始まり、「最後の日」に至るまで続いていきます。
そしてその日には、私たちはまったく完全な者になります。
  
  
絶望の中で、私たちは希望をもち続けなければなりません。
なぜなら、恐れは絶望の始まりにほかならないし、
希望は救いの始まりにほかならないからです。
相戦っているこれら二つ(恐れと希望)は、
いやおうなく私たちの中に存在し続けます。
私たちの中には相戦っている「古い人」と「新しい人」がいるからです。
「古い人」は恐れを抱き、絶望に陥り、死ぬほかありません。
「新しい人」は希望を抱き、安定して、成長していくことになっています。
これら二人の「人」は今も一緒に同じ人間の中に存在しており、
それゆえ、一緒に同じ神様のわざの中にいます。
彫刻家は、不要な部分の材料を砕いて除去することで、
造ろうとしている像をより美しくしていきます。
それと同じように、
(神様への正しい)畏れは「古い人」なるアダムを砕いて死に至らせます。
それによって、「新しい人」を形作る希望が成長していきます。