2011年4月26日火曜日

「マルティン・ルターの宝石箱」10月11日~15日

     
1011

あなたたちは再び恐れへと陥れる奴隷の霊」ではなく、「子供になる権利を与える御霊を受けたのであり、その御霊の中で「アバ、お父さん!」と私たちは叫ぶので
ローマの信徒への手紙815節)

神様の子供の心の中には勇気に満ちた「アバ(「お父さん」という意味)」という叫びのみが響いているなどと思い込んではなりません。その中では嘆きの叫びも聞かれるので。これは聖徒が皆、体験してきたことで。罪もまた良心の中で人を絶望に追いやるはずです。しかし、キリストの御霊の叫びは、信頼が疑いに打ち勝つほど圧倒的に力強いはずで。ヨハネがこう言っている通りです、「そこから私たちは、自分たちが真理から出ていることを知るでしょう。そして私たちは心を神様の御前で安らかにさせるでしょたとえ私たちの心が(私たちを)責め立てたとしても、神様は私たちの心よりも大きい御方であり、すべてを御存知だからで」(ヨハネによる第の手紙31920節)。



1012

民よ!どんなときでも神様に信頼しなさい。神様の御前にあなたたちの心を注ぎ出しなさい。神様は私たちにとって避けどころなのです
詩篇629節)

あなたたちに何かが欠けているときには、心を神様にすっかりお渡しし、心配を隠さず自由に語りなさい。ちょうど一番の親友に話すように、心を開いて神様にはっきりとすべてを語りなさい。神様は喜んで聴き、諭し、助けてくださいます。



1013

イエス様天使たちのことではなく、アブラハムの子孫のことに配慮されているは確かです。それゆえ、神様の御前憐れみ深く忠実な大祭司となって、民の罪を贖う[1]ために、イエス様はすべての点で兄弟たちと同じようにならなければならなかったので
ヘブライの信徒への手紙21617節)

私のことをキリストほどよく理解してくれるほかにいません。キリストほど私近くにいてくれるもいません。キリストほど私に親しく心のこもった関係にあるほかにいません。それほど、キリストは私を御自分と共にいるようにと、ごく近しくまたしっかりと関わってくださっています。私は、ほかならぬキリストからあらゆるよいことをいただける、と期待してよいのでなぜなら、心の正しい父親が自分の小さな子供を愛するよりもさらに優しく、キリストは私を愛していてくださるからで



1014

シモン、シモン、ごらんなさい、サタンがあなたたちを麦のようにふるいにかけるためにあなたたちのことをつぶさに調査しました。しかし私はあなたの信仰がなくならないようにとあなたのために祈りました。ですからあなたは、立ち直ったときにあなたの兄弟たちを力づけてあげなさい。
ルカによる福音書223132節)

人はあらゆる苦しみや戦いにおいて、神様の守りの中へと急いで逃げ込まなければなりません。人は「自分の身の上に起きるあらゆることは、それを引き起こしたのがサタンか人間かには関わりなく、神様の許可に基づいて起きている」ことを知っておかなければなりません。悪魔や世は私たちから髪の毛一本さえも持ち去ることができないというのは実に素晴らしい慰めで!言葉で言い表しようのないほど素晴らしい父親的な配慮ではありませんか!



1015

日がたって、カインは地の産物の一部を供え物として主の御許携えてましアベルもまた自分の羊の初子たちとそれらの最上の部分を携えてました。主はアベルとその供え物とを顧みられましたが、カインとその供え物は顧みられませんでした。非常な怒りがカインを満たし、カインはその顔を伏せました。
創世記435節)

この例はアベルのためではなく、アベルに似て貧しい神様の子供たちのために書かれています。たとえカインが傲慢に彼らを蔑むとしても、神様は彼らのことを忘れず、見捨てず、彼ら憐れみの目を向けられます。そして、カインをその長子の特権供え物とともに流浪するに任せられます。


[1] 「イエス様が罪を贖った」とは「イエス様がその貴い十字架の死によって民を罪の支配から買い戻してくださった」という意味で