2020年2月7日金曜日

「力なき者に力を」「マタイによる福音書」26章50節より「裏切り者」

「裏切り者」

友よ、何のためにここに来たのですか。
(「マタイによる福音書」2650節より)

ダンテは「神曲」という本の中で
イスカリオテのユダのことを地獄でも皆に見捨てられた存在として描いています。
なぜなら、ユダはイエス様を裏切った者だからです。

主イエス様のおかげで人間という罪深い存在が
天の御国に入れていただけるというのに、
天の祖国と主イエス様のことを裏切った人が
今までどれほどたくさんいることでしょうか。

この世の祖国の裏切り者の例としては、
法律を破る者、他人を虐げる者、不信を増長する者、
人種同士や社会階層間の憎悪を煽る者、
また、祖国の繁栄と平和とを危険にさらす者などを挙げることができます。

それに対して、天の祖国の裏切り者とは、
福音を隠れ蓑にして普段は利益を追求しているくせに、
いざ主のために行動しなければならない時が来ると
こっそり隅に退いてしまう者のことです。

(語るべき時に)沈黙することによって、この裏切り者は
世の人々と一緒に(主を)軽蔑し侮辱するグループの側につくことになります。

洗礼、福音、聖餐、礼拝で説教する職務、教会での交わり、
そしてキリスト信仰者にとって聖なる尊いすべてのものを
捨て去った人々についてはいったい何と言えばよいでしょうか。

イエス様に口づけすることで
イスカリオテのユダが非情な裏切りの仕上げをしたとき、
イエス様は「友よ、何のためにここに来たのですか」と
愛をもって優しく彼に警告しました。

イエス様は裏切り者たちのことをも愛しておられます。
そして、彼らを御自分の恵みの中に迎え入れることを望んでおられます。
それゆえ、イエス様は人が裏切り者の暗路に迷い込もうとするときに
「友よ、何のためにここに来たのですか」と警告なさるのです。

(祈り)イエス様、私があなたに対して
終わりまで忠実であるようになさってください。アーメン。
(関連聖句)「ルカによる福音書」2216