2013年12月4日水曜日

「ルターの祈りの本」 主の祈り(その2)


願わくは、御名をあがめさせたまえ。


主なる神様、愛するお父様、
あなたの御名が私たちの中でも全世界でも聖とされますように。
トルコ人[1]や法王やすべての偽教師と異端者がもちこんでくる
恐怖と悪い生活と異端とを、滅ぼし尽くしてください。
彼らは、あなたの御名を不正直な心で引き合いに出し、
非常に恥ずべき仕方で用い、ひどく侮り、
「自分の教えは御言葉であり教会の命令である」、
などと言って尊大に振舞っています。
実はそれは、悪魔の嘘と偽りなのです。
彼らは、あなたの御名を悪用して、
世界中の哀れな人たちを惑わし、殺し、
無実の人の血を流し、迫害しています。
こうすることで、彼らはあなたに
「よい奉仕」をしているつもりなのです。[2]

愛する主なる神様、
これら一切のことを取り除き、阻止してください。
まだ人生の方向転換ができる人たちを、正しい方向へと導いてください。
それは、
彼らが私たちと共にいて、私たちが彼らと共にいて、
正しい純粋な教えとよい聖なる生活によって、
あなたの御名をあがめ、賛美するようになるためです。
しかし、
悔い改めたくない者たちには、妨げをおいてください。
彼らがあなたの聖なる御名を
間違って用い、汚し、侮り、哀れな人々を惑わすのを
止めざるを得ないようにするためです。
アーメン。



[1] トルコ人」がここで挙げられているのは、
当時、第一次ウィーン包囲(1529年)など、
ヨーロッパがオスマントルコの脅威にさらされていたことにも
関連していると思われます。(訳者注)
[2] イエス様が弟子たちに言われた次の言葉を参考にしてください。
人々はあなたがたを会堂から追い出すことになるでしょう。
更に、あなたがたを殺す者が皆、
それによって自分たちは神に捧げ物の奉仕をしているのだ
と思い込む時が来ることでしょう。
彼らがそのようなことをするのは、
父をも私をも知らなかったからなのです」
(「ヨハネによる福音書」1623節)(訳者注)。