「喧嘩してはいけません」
こうして彼(ヨセフ)は兄弟たちを送り出し、
「旅の途中で喧嘩してはいけません」と彼らに言いました。
(「創世記」45章24節)
ヨセフはエジプトで兄弟たちに自分の正体を明かした際に、
彼らの家族と年老いた父ヤコブを飢饉から救い出して
エジプトに連れてくるようにと彼らをヤコブのもとに送り出しました。
旅の途中で喧嘩などしないようにとヨセフは兄弟たちを諭しましたが、
もちろんそれには理由がありました。
兄弟たちが互いに喧嘩し合うことになる原因としては、
例えば彼らが以前ヨセフを見捨てたときに彼らのうちのいったい誰が
そのような過酷な仕打ちを煽ったかということだったかもしれません。
自分自身の罪深さを告白するのはとても難しいものです。
ともすると私たちは自分の罪を他の人のせいにしがちであり、
そこから争いが起こるのです。
しかし、聖書は人間皆が一様に区別なく罪を犯したことを教えています。
もしもこのことを皆が告白するならば、
家庭での喧嘩も、友達や親戚との間の諍いも、
怒りや復讐心を撒き散らすこともたちまち収まることでしょう。
この世では
争いや怒りや復讐や流血に至るような事件でさえもしばしば起こります。
しかし、主は御自分に属する人々に
「道中、喧嘩しないようにしなさい」と言っておられます。
使徒パウロは
「あなたがたは、もしもあなたがたの側からそうできる場合には、
すべての人と平和に過ごしなさい」
(「ローマの信徒への手紙」12章18節)と奨励しています。
キリストは平和を築いてくださいました。
もしも私たちが平和に生活して互いに赦しあう場合には、
心には神様の平和が保たれます。
(祈り)私たちの罪を赦してくださる神様、
どうか私たちに他の人を赦し平和を愛する心をお与えください。
私たちが激しく怒ったり、人を責めたり、復讐心を燃やしたりしなくなるように、
イエス様を通してお祈りいたします。アーメン。
(関連聖句)「創世記」13章