2017年3月1日水曜日

マルティン・ルター「活きるために」「フィリピの信徒への手紙」2章1~2、4節(その1)


あなたがたに、
キリストにある勧め、愛の慰め、御霊の交わり、真心と憐れみとが
何かしらある場合には、
どうか心をひとつにし、同じ愛を持ち、魂をひとつにし、同じ思いを持って、
(中略)自分のことだけではなく、他の人たちのことにも目を向けることで、
私の喜びを満たしてください。
(「フィリピの信徒への手紙」2124節)(その1)
 
神様から見てもこの世の立場から見ても、
恭順は信仰者を最も美しく飾る衣服です。
恭順はあらゆる王冠やこの地上の煌びやかさよりも優れています。
恭順は神様に喜ばれる公正で霊的な生活です。

真の恭順は自分が恭順であることをまったく自覚していません。
もしも自覚しているなら、
きっと自らの美徳に気を取られ高慢になってしまうでしょうから。
恭順はむしろ小さなことに目を留めます。
それら小さなことは絶えず目の前にあるからです。


柔和というキリスト信仰者にふさわしい徳が、
敵に対して親切で好意的な態度を保たせるのと同じように、
恭順というキリスト信仰者にふさわしい徳もまた、
私たちが、
弱く哀れな罪人である信仰の兄弟姉妹に対して善良な態度を取るようにさせ、
自分たちを彼らよりも取るに足らない存在とみなして、
自分よりも地位が低い人々の僕になるようにさせ、
また、自分たちが彼らよりも多くの賜物や徳を備えているからといって
彼らを支配したりしないよう、常に心がけるようにさせます。
そして、こうした恭順はすべて心から出てこなければなりません。