2016年11月2日水曜日

マルティン・ルター「活きるために」「フィリピの信徒への手紙」4章4~5節、7節(その1)

いつも主にあって喜びなさい!
もう一度言います、喜びなさい!
あなたの温和さがすべての人に知られるようになりますように。
主は近いのです。(中略)
あらゆる理性を超えた神様の平和が
あなたがたの心と思いをキリストにあって守ってくださるでしょう。
(「フィリピの信徒への手紙」445節、7節)(その1)

人が神様からいただく最良の態度は、朗らかな喜ぶ心です。


神様は私たちが喜ぶことを望まれ、陰鬱な心を憎まれます。
私たちが鬱々と生きることが御心に適うとしたら、
決して神様は太陽も月も世界のその他の宝物も
私たちに賜らなかったことでしょう。
しかし、これらすべてのものによって
神様は私たちを喜ばせてくださるのです。
もしもそのおつもりがなければ、
神様はきっと暗闇を造られ、
規則的に毎朝太陽が昇り毎年夏が来ることを
お許しにはならなかったでしょうから。

喜びを基準として、
私たちは自らの信仰の足りなさを知ることができます。
なぜなら、私たちは強く信じれば信じるほど、
必然的に、より力強く喜ぶようになるはずだからです。

私たちには悲しむべきことよりも喜ぶべきことの方がたくさんあります。
なぜなら、私たちの希望は神様の中にあるからです。
神様はこう言われています、
「私が活きている[1]ので、あなたがたも活きることになります[2]
(「ヨハネによる福音書」1419節)。

しかし、悲嘆するのは私たちにとっては生まれつきの傾向です。
悲嘆の神である悪魔は私たちを殺そうとしますが、
主なる神様は私たちを守ってくださいます。



[1] ギリシア語の動詞は現在形。
[2] ギリシア語の動詞は未来形。