2025年3月31日月曜日

「力なき者に力を」「マルコによる福音書」4章28節「蒔かれた種」

「蒔かれた種」

 地はおのずから実を結ばせるもので、

初めに芽、つぎに穂、つぎに穂の中に豊かな実ができます。

(「マルコによる福音書」428節)

 

ある男の人が知らない人に

イエス・キリストのことをはっきり伝えるパンフレットを渡しました。

そのパンフレットには彼の名前と住所も書いてありました。

それから何年もたって、彼は死にかけている病人のもとに呼ばれました。

その病人はこう言いました、

「あなたはかつて私にあのパンフレットをくれましたね。

それは私をキリストの御許に導いてくれました。

今私はキリストの恵みに守られて天の御国へ行きます」。

蒔かれた種は芽を出して、実を結んだのです。

 

神様の御言葉はこのような活きた種です。

蒔かれた種は芽を出し、成長していきます。

なぜ自然の中の種が芽を出して成長するのか、

この不思議な出来事について私たち人間は理解することができません。

それと同様に、

たった一言の神様の御言葉がある人々の人生の転機になりうることも

私たちの理解を超える不思議な出来事です。

それは種蒔き人の功績ではなく、

蒔かれた種である神様の御言葉による働きのおかげなのです。

 

御言葉自体が活きており力に満ちています。

御言葉は人を変えます。

罪を悔い御子を信じる信仰を御言葉は与えてくれます。

御言葉は人を信仰の中に保ちます。

御言葉の力のおかげで、

私たちは恵みのうちにあって

イエス様についての理解を深めつつ成長していけるのです。

 

ですから、この活きた御言葉を蒔くためにカゴを持って歩みましょう。

種蒔きの仕事にはいろいろなものがありますが、その効力は等しいものです。


「朝のうちにあなたの種を蒔きなさい、

夕まで手を休めてはなりません。

実るのは、これであるか、あれであるか、

あるいは二つともに良いものであるのか、

あなたは知らないからです」

(「伝道の書」116節)。

 

(祈り)

成長を与えてくださる唯一のお方である神様、

あなたの御言葉が忍耐強く私たちの中で

永遠の命の実を結ぶようになさってください。

どうか私たちがあなたの御言葉の種を人々の心の畑に

熱心に蒔くことができるようになさってください。

アーメン。

(関連聖句)「マルコによる福音書」42634

2025年3月28日金曜日

「力なき者に力を」「ルカによる福音書」8章45節「多数意見に従うのですか?」

 「多数意見に従うのですか?」

 先生、群衆があなたを取り囲んで、ひしめき合っているのです。

(「ルカによる福音書」845節)

 

約束の地の境界にたどり着いたイスラエルの民は怖気づき、

その地を征服するのはとうてい無理だと諦めてしまいました。

しかし、ヨシュアとカレブの二人だけは勇気を持ち続け、

神様を信頼するようイスラエルの民を励ましました。

彼らはあえて少数派に留まる勇気を持っていたのです。

 

このような人々が必要とされています。

教会の指導者や会員の多くが

神様の御言葉に基づく信念をしっかり保てなくなると、

教会は甚大な被害を蒙ることになるからです。

 

群集の動向が注目されるときこそ、

キリスト信仰者としての真の正直さが試されます。

時代の流れ、一般の意見、あからさまな圧力などが、

時にはキリスト信仰者さえも引きずり込む場合があります。

その結果、その人は信仰の確信が損なわれたり、

間違っているとわかっていることを言ったり行ったりするようになります。

 

イエス様はこの世に勝利なさいました。

私たちをこの世から呼び出して、御自分の勝利の行進に加えてくださったのです。


「あなたがたはこの世の基準に自分を合わせてはなりません。

むしろ、心の一新によって変えられて、

何が神様の御旨か、何が善か、神様に喜ばれることか、全きことか

を究めるべきです」

(「ローマの信徒への手紙」122節)。


この世の潮流が私たちに神様の御旨に反することを行わせようとする場合には、

それに倣ってはなりません。

なぜなら、

大いなる艱難をくぐってきた白い衣の大群衆の中に

私たちは立ちたいと願っているからです。

 

(祈り)主イエス様、

私たちがあなたと御言葉に対して忠実であるように助けてください。

そうすることで多くの艱難に遭うことになる場合にも

忠実さを貫けるように助けてください。

あなたの血と証の御言葉とによって私たちが勝利できるように助けてください。

アーメン。

(関連聖句)「民数記」133134

2025年3月17日月曜日

「力なき者に力を」「ローマの信徒への手紙」8章31節より「守られている少数派」

「守られている少数派」

もしも神様が私たちの味方なら、誰が私たちに敵対できましょうか。

(「ローマの信徒への手紙」831節より)

 

神様は「多数派の味方」ではありません。

 

箱舟を建造していたとき、ノアは少数派でしたが、勝利しました。


兄弟たちによって奴隷としてエジプトに売られたヨセフは

一人ぼっちでしたが、勝利しました。


主の力によってバアルの祭司たちと戦ったとき、

預言者エリヤは少数派に属していましたが、勝利しました。


宗教改革者マルティン・ルターも少数派でしたが、勝利しました。

 

「多数派が正しく、神はその味方だ」と一般的には考えられています。

「民の声は神の声を代弁している」とも思われています。


しかし真実はまったくちがいます。

神様は少数派を選んでその代表者たちに勝利をもたらしたことが何度もあります。


教会の歴史の初めの頃、教父アタナシオスは「三位一体の教義」を擁護しました。

その結果、彼は少数派として亡命を余儀なくされました。

「全世界があなたに敵対している」とある人に言われた彼は

「アタナシオスが全世界に敵対している」と答えたそうです。

 

アメリカの南北戦争の時代に「神様が私たちの味方であるように祈りましょう」

とリンカーン大統領に言った人がいました。

それに対してリンカーンは

「私たちが神様の側であるように祈りましょう」と答えたそうです。

 

神様が「真理と義に従い御言葉に忠実を貫く者の味方」であるのは確実です。

 

(祈り)御自分の御言葉と栄光をお守りください、主よ。

イエス様、御言葉の側に立って戦っている者を強めてください。アーメン。

(関連聖句)「詩篇」46

2025年3月14日金曜日

「力なき者に力を」「イザヤ書」59章14節「本当のことを話しなさい!」

「本当のことを話しなさい!」

公正は後方に退けられ、
正義は遠方に立ちすくんでいます。
なぜなら、真理は広場で倒れ、
正直は中に入ることができないからです。

(「イザヤ書」5914節)

 

預言者イザヤは真理を

「虐待され、広場で倒れ、中に入ることができない人物」

として比喩的に描き出しています。

 

詐欺行為は非常に頻繁に見られます。

とりわけ経済関係では詐欺や裏切りが年々一般化してきています。

真理について語り真理に従って行動することは

もはや尊重されなくなっています。

また家庭は子どもが真理を重んじるように教育するのをおろそかにしています。

 

聖なる律法を通して、神様は真実を話すよう命じておられます。

預言者ゼカリヤを通して、神様は

「あなたがたのなすべき事はこれです。

あなたがたは互いに真理を語りなさい」

と言われます(「ゼカリヤ書」816節より)。

 

アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンには

次のような逸話が伝えられています。

ある外国の大臣がホワイトハウスで大統領に面会しました。

この客はリンカーンの小さな子どもと打ち解けようとして

「私が君をだっこさせてくれるなら、金時計をあげるよ」と約束しました。

少年は言う通りにしました。

退出しようとした客に大統領は

「あなたは何か忘れたようですよ」と言いました。

もともと子どもに金時計をあげるつもりなどなかった客は

「子どもに約束したことはちゃんと守るのが私たちのやり方なのです」

という大統領の言葉を耳にすることになりました。

すっかり恥ずかしくなった客は

自分を時計よりも無価値に感じてその場を離れました。

その客は「子どもにも本当のことを話すべきである」

という教訓を受けたのです。

 

互いに本当のことを話しましょう。

私たちはイエス様にあって真理そのものをいただいているわけですから、

本当のことを話しましょう。

 

(祈り)

主よ、

どうか私の口に見張りを置き、私の唇の扉を監視してください。

アーメン。

(関連聖句)「ヨハネによる福音書」318